【生物】童謡で親しまれる「アイアイ」は、現地で悪魔の使いとして怖れられている
童謡の「アイアイ」。みんな一度は耳にしたことがあるはずだ。
「あーいあい」という掛け声を軽快なリズムにのせ、尻尾が長い、木に住む、目の丸い猿と紹介する。誰しも、アイアイが可愛く木にぶら下がる光景が浮かぶことだろう。
しかし、こんな可愛らしい音楽に相反し、本物のアイアイが現地で「悪魔の化身」「悪魔の使い」として怖れられていることはご存知だろうか。
アイアイは、哺乳綱霊長目アイアイ科アイアイ属に分類され、マダガスカル島に生息する。体毛の中からぎょろりと目が覗き、耳が大きく、前足の中指にあたる第3指が異様に長い点が特徴でユビザルとも呼ばれる。
項目:「アイアイ」.編者:松村昭.書籍名:『スーパー大辞林3.0』.出版者:三省堂編修所.出版年:2006-2008より引用
このアイアイ、現地では「地獄から来た悪魔の使い」であるとされ、なんと、「アイアイが中指で指さすのは魂を奪う相手の印をつけているからだ」と信じられている。すなわち「中指で指さされると死ぬ」ということだ。
なぜこんなに恐ろしい動物が童謡に採用されているのか不明であるが、単に「名前の語感が可愛い」からではないか。そうでなければ童謡に採用することはなかっただろう。仮に童謡の題材にするにしても「尻尾の長い」よりも、まず先に「中指の長い」を特徴として挙げるべきだったのではないか。
ちなみにアイアイの名前はマダガスカル語の「ハイハイ」に由来するという説があり、これはマダガスカル語で「よく知らない」を意味するらしい。
現地の人も良く知らないならやむを得ないか。